ふしぎなともだち（新井煮干し子）
アニメのストラップから始まった不思議な交流ーー。
接点のなかった二人(オタクの由岐と非オタの和)が、
とあるアニメの話題から仲良くなって、
お互いの違いに戸惑いながらもいつしか距離が近付けていく。
だけど、普通の友達とは違うみたいで…??
実力派新人・新井煮干し子が送る異文化コミュニケーションの決定版!!
特別描きおろし・トゥルーエンディング「沖縄にて」掲載!
すごくよかったーーー！！！
この作者さんの同人がとても好きだったので、まあ外れないだろうとは思っていたのですが、これがもう大当たりでした！神！
オタク×非オタでふたりが知り合ってかけがえのない存在になっていく描写がじっくり書かれていて、丁寧で、すごく自然なんですよね。二人が近づいていく課程がじれったかったり恥ずかしかったりしながらリアルで、久しぶりにこんな気持ちに乗れる漫画を読んだなあ、と言う感じです。会話とか間の感じとかもアーーーーある！ってもうすごい！とにかくすごい！
非オタの和はコミュ力も高いリア充なんだけど、鈍行で九州まで行っちゃったり他人と距離感がほぼゼロだったり少し変わっていて、そこ受け入れてくれた友達とかも今までそんないなかったんじゃないですかねー。だから、互いに知らない世界を持っていたり、でも直情的なまっすぐした由岐の性格なんかが居心地がよかったりおもしろかったりしたのだろうなあと思います。
セックス前になって由岐がお前落ち着いてるなって言うのに対して、和がだってフツーのことだって言うシーンがすっごくよかった……。ほんっとによかった…！ここに限らず、攻めの由岐がオタクで同人作家なもんで、もうこれがあるあるのオンパレードなんですね！オタクっていうのがコンプレックスだった時期とかオタクな人なら誰でもあると思うんですけどそういうオタクとオタク趣味でない人の関係で培ってしまった負の感情と思い出がじわじわ読みながら出てきて底の方でブラブラしてたんですけど、そういうのを和がサラッとすくって、当たり前みたいになんで？悪いことでも変なことでもないじゃん、って笑ってくれるのがなんかもう…だめだった……すばらしかった……
もうとにかく幸せそうに、楽しそうに笑うふたりが最高です！大好き！！！
それとオタクあるあるつったらもう即売会とか原稿中とかほんとうにあるあるだらけで笑いました。やー、でも、いくらエロ原稿だからって、原稿中に遊びに来た友達に原稿手伝わせない由岐は本当にすごい奴だと思う！あと友達にエロ同人誌普通に見て良い？いいよって言えるのも心底尊敬します。作中でもなかなか清々しいんだよな、この人。好きだわー。島角とお誕生日席行ったり来たりと聞いて、くきわかめ先生の新刊ますますほしくなってきました。あと、和みたいな原稿中にもそばにいてくれたり励ましてくれたり手伝ってくれたり終わったら一緒にお疲れさましてくれたり外に連れ出してくれたり自分の漫画を手放しで褒めてくれたり同じところで感動してくれたりこんな彼女私もほしいです。切実。
そういえば、タイトルもオタクネタというか、アニメゲームとかのパロディで凝ってて素敵でした。
あとね、絵がすごい！やっぱり！商業BLには珍しめなのかな？すこしリアルめの絵柄なんですけど、線がガサっとしてる感じとか直線がないところとか素朴な感じというかむしろ泥臭さを感じるところとか、この二人のお話にとても合ってました。めっちゃいいです。鼻もいいけど目もいいな～～～！カラーも最高だな～～～～！！！！裏表紙の笑顔ふたりともかわいい～～～～～～～～～～～！！！！
こういう恋人って関係になっても友達であってかけがえのない存在って二人はほんとうに大好きです
あとあと、装丁がすごくいいですこれ！めっちゃかっこいいです！表紙のタイトル文字に乗ってるのとか白地の多いこの粗密バランス最高じゃねーの…！和のズボンの差し色も素敵だしあと帯が細い強めの黄緑だったのもよかった。目次の配置もちょういいです！！オシャレ～～～！！すき～～～！！！
はーもう！すきとしか言ってない感想になっちゃったけど、笑えて幸せになれて、本当によい漫画でした！新井煮干し子さんのBLもBLじゃない方も、これからが楽しみです！！
作家買いできる！っていう人に出会ったときってのは本当に嬉しいですよなあ～
何度も読み直すことになりそうです。良い本だった！たくさんの人に読んで欲しい！！！！
