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オズマフィア

 

 とりあえず、乗り換えルートがあと少し残ってるんですけど、グランドフィナーレまで見ました。

すごく面白いなあ好きだなあという部分と、萌えの部分と、あと地雷の部分と、不思議なバランスでなりたってるゲームでした……。設定や世界観はとてもいいし、面白いし、洋楽の、しかもああいうストリングスの扱いがうまくて爽やかな曲がOPEDが似合う雰囲気もいいですよね。その裏に、マフィアの薄暗い部分、悲哀を抱える部分を孕んでいても、それでも生きていこうっていう、フーカのこの世界で笑っていたい、そういう気持ちが現れているような雰囲気はすごく気持ちがいいものでした。あとなんといってもそういった雰囲気含めてオシャレでねえ。ゆーますさんが洋楽とか洋ドラとかをどうやら好きらしいって知った時は妙に納得しました。そうやって培ってきた感覚があったなあって。

話としては、街も、こうやって攻略してきたキャラクターやそこに住んでいる人も、ドロシーが作ったものっていうのが個人的にはネックになってしまって。しかもそこで、ドロシーがなりたかった女の子として作られてしまった分身としてのフーカが、自分の作ったものと恋をする、っていうのが…なんとも…大ブーメランというか…鏡と恋愛してるような空虚を感じてしまって。どうしても最後まで乗り越えられなかったなあ。もうドロシーは塔の上だし、きっと創作物たちも身体ともに手を離れてはいるんだけども、それでもなあ。

あとそれに、いくらこの物語のテーマのひとつとして「犠牲」ってことがあるとはいえ、犠牲を肯定するようなラストはなんとも頂けないなあと言う気がしてしまう。基本的にだって、物語の途中ではハーメルンが救われず犠牲になって、それに最後はすべてドロシーだけがそれを背負い犠牲になる羽目になって。ドロシーにはこの町を作り出したって責任があるのかもしれないけどそれでも、あまりに偏りすぎじゃないかなあ。物語なのに。武器を拒んだハーメルンや、フーカを街に戻してやったドロシー。そういういいことをした人がいつも何かを背負わなければならないことを物語として正しいことだって言っちゃうのはつらいですよね…。そしてその犠牲の上に笑っている人は真実を知らないっていう、そういう犠牲のあり方とか犠牲になった方と犠牲にした方との差違なんかはとてもリアルですけど。そういうのが、書きたかったんでしょう、それはわかるけど・・・うん・・・・わかるけど・・・・!!ぐぬぬ

少しくらい、報われたっていいもんだよなあとは個人的には思います。

だから、フーカにはグランドフィナーレで、街に戻るんじゃなくて、塔の中で、街で経験した楽しいこと嬉しいことなんかをドロシーと共有しながら、一緒に住んでほしかった。そういうラストがあっても、いいじゃないかって思ってしまいます。そうしたらそうしたで、キリエが可哀想なのかもしれないですけど。

ハッピーで善良そうな顔をしておいて、存外、シビアな話をしてるなあっていう印象。

乙女ゲーの禁じ手じゃないけど、地雷になるような要素も結構バッシバシ放り込んで来るので、そういうところはいっそ挑戦してて清々しいですね。過去の女ネタもだし、どうしても正史扱いになってしまう、ああいうグランドフィナーレみたいなものの中で、固定CPとまでは行かないものの、似た関係を作ったりとかもね。あれはあれで、凝り固まらないのはイイかなって思いました。ただしパシェルートだけは絶対に許さないからな…!意気込んで始めたのに惚れた女が別の男に惚れていくのをなんで応援せなならんのだ………なんかの試練か?

あとキリエの最後の母親みたいなもの発言もちょっと…いただけないかな…。いや、まあ、母性を求めてたってわけではなさそうだったから、家族萌えみたいなものと思えばまあいいかなあっていう雰囲気ではあったんですけど。でも基本的に、女に母性を求める男とかろくな奴いないのでそういうの地雷で。ちょっと。うん…。

 

結構がグランドフィナーレが条件厳しめだったのに対しそこにそんな情報もなく結構あっさり終わってしまったのでそれが多分尾を引いてるんだろうなあと思います。もうひとパンチ何かほしかったんですね。でもフーカもキャラもいいし、世界観も好きだし、すごく軽快な会話はほんっとうに聞いていてめちゃくちゃ楽しいし、ルートの種類が多いのでこのオズマフィアの世界を多面的にみせてくれていて、細かい部分や気になったところを関係性などから、こういうこういうことかな?とか考えたり妄想したり、そういうことが出来るのは単純に楽しかった。もう少しこの世界観に浸っていたいなあ、とは終わるときに思ったので。それだけに惜しい作品だっていう印象です。

続編としてのFDは出ないって特典の冊子にはありましたが、別の形でのFDや展開はあるっておっしゃってたので、それは追っていきたいかなあって思ってます。

 

思ってることがまだうまく言語化出来てない感じもあるので、なんかまたそのうち整理出来たら書いておこう…。